山村問題と森林管理の今日的諸相(統一テーマ:中山間地域の現局面と政策課題,2001年春季大会論文)
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概要
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1990年代の山村の諸問題は一層矛盾を深めながら2000年代へ引き継がれた。林業施策は,山村振興対策や農業施策と重なりながら,森林の「流域管理システム」と国有林の「改善計画」を両軸に展開された。そこでは,WTO体制および持続的森林管理とのリンクのもとに,木材生産から公益的機能重視への林政基調の転換,補助金の効率的配分という名目での選別化の推進,国有林の大規模なリストラ合理化等が展開された。山村振興対策の中で林業施策の責任は非常に重い。特に民有林林道事業は,山村の交通条件の改善に直接的な影響を与えるとともに,用地確保等の処理を通じて市町村の役割を不可欠重要なものにした。国有林山村では事業量の激減により衰退を加速させられるとともに,収入確保のため土地売払いとスキー場事業等が積極的に展開され,市町村を巻き込んで様々な問題を生起させた。山村の都市への依存が強まる中で,有力な山村資源である森林(民有林,国有林とも)の管理のあり方が問われている。
- 2001-03-15
著者
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