認知症高齢者の抑制機能に関する研究 : 抑制機能及び関連する認知機能を中心とした検討
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概要
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本研究では,認知症群の抑制機能の低下が健康群より大きいという視点から,Stroop課題とSRC課題を使って,認知症高齢者の同一性ベースと場所ベース抑制機能を検討し,さらに,MMSE課題とFAB課題を使って,認知症高齢者の知的機能と前頭前野機能を検討した。結果として,先行研究と同じように,認知症群は,健康群と比べて,抑制機能,知的機能及び前頭前野機能が全般的に低いことが明らかになった。また,同一性ベースと場所ベース抑制機能に関して,健康群と認知症群の間に異なる結果が示された。次に,認知機能の下位項目について,差がある項目と差がない項目が確認された。そして,前頭前野機能の下位項目について,依存性以外の項目は,すべて有意に低いことが示された。これらの結果を同一性と場所ベース抑制の相違点及び発達的観点から考察した。認知症を患っている高齢者は,抑制,記憶,概念化などといったさまざまな認知機能が,健康な高齢者に比べて全体として低下が著しいと思われる。
- 2008-10-10
著者
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