介護実習における学生の不安に関する因子分析的研究
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概要
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介護実習への過度の不安や緊張から、学習意欲だけでなく自己に対する自信も低下させてしまう学生が増加している現状を鑑み、介護実習における学生の不安の因子構造を明らかにし、学生が介護実習において遭遇する不安の低減策を検討するために、介護福祉士養成課程の2年生105名に対して無記名自記式質問紙調査を実施した。因子分析の結果、5因子23項目を抽出し、介護実習における不安を評価・診断する尺度開発の方向性が示された。そして、得られた5つの下位尺度を用いて不安の評価を試みたところ、(1)介護過程の展開をはじめとした知識・技術の不足に起因する不安が強いこと、(2)村人関係の面では介護職員に対しての不安が強く、利用者とその家族、教員に対する不安は低いことが明らかとなった。そのため、学生の過剰な不安低減のためには、基本的な介護知識・技術の会得を目指した教育の充実と、実習先職員と学生とのよりよい関係づくりに向けた介入が必要である。