戦時下保育運動における保育項目「観察」研究 : 「保育問題研究会」を中心に
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概要
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1926(大正15)年4月に制定された「幼稚園令」及び「幼稚園令施行規則」で、保育内容として従来の保育4項目に「観察」という項目が新しく加わって以降、そのあり方をめぐって、保育関係者や各種団体の間で様々な議論や実践もなされるようになった。そうした中で、戦時下の保育運動を担った「保育問題研究会」は、次の3つの特色ある実践的研究を行っている。それは、1)「第四部会」が、「観察」を「社会観察」と「自然観察」に分けてとらえ、「生活指導(社会的訓練)」との結びつきから、特に前者を重視して実践研究へ取り組もうとした点、2)「観察部会」が、国民学校初等科の低学年における理数科設置の影響を受けて発足し、「自然観察」を中心に実践記録をまとめていったという点、3)「観察部会」が、教師に加えて母親との連携も意識し、戦時下の教育体制で強化されていた「家庭教育(両親教育)」と結びつく形で、「観察」教材のあり方を模索した点である。
著者
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