手記から学ぶ病児の理解 : 学生の読後感レポートからの分析
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概要
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看護学生の病児に対する理解を深める方法として、手記を読んでレポートすることを課題とした。本研究では、同一題名の手記を読んだ学生10名を研究対象とし、読後感レポートの内容分析を行い学生の学びを明らかにすることを目的とした。レポート内容を文脈ごとに抽出し、文脈の記述内容により記録単位を抽出した。さらに分類・整理した結果、23個のカテゴリーに分類できた。さらにこれらを6個のコアカテゴリーに分類した。記録単位の件数で最も多かったのは病児に関すること、学生に関することであった。病児に関する内容分析では21個のサブカテゴリーと5個のカテゴリーに分類できた。5個のカテゴリーは「病児の精神力・人柄」、「病児と発達段階」、「病児が残した印象的な言葉」、「病児とストレス」、「病児の気持ち」とした。学生自身に関する内容分析においては、13個のサブカテゴリーと2個のカテゴリーに分類できた。2個のカテゴリーは「学生の学び」、「学生の気持ち」とした。学生は手記を読むなかで病気と闘いながらも、懸命に生きようとする精神力・人柄に共感、同情、感動、敬意、激励などの気持ちを通わせながら病児の理解を深め、小児看護に対するモチベーションの高揚につながったと考える。手記を通して学生の感性を刺激し、看護者としてどのような関わりが必要か、病児にとって必要な看護ケアは何であるかを考える機会となり、学生自身の今後の学習への動機づけともなり効果的であった。