Tsukuba情動系ラットの学習行動の特徴 : 8方向放射状迷路を用いた空間学習行動について
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概要
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Tsukuba高情動系(H系)及び低情動系(L系)ラットの学習行動に関して,これまで数多くの研究がなされてきた.その中で特に,L系ラットの種々の学習障害が指摘されてきた.しかしながら,空間認知能力を必要とする学習行動に関しては未だ不明な点が多い.そこで,本研究では,8方向放射状迷路を用いた空間学習習得過程を詳細に観察し,空間学習障害の有無をH系ラットと比較検討した.その結果,L系ラットの学習初期の所要時間がH系ラットより有意に短く,非学習性の無目的な多動性が認められた.その後の学習過程では,L系ラットの所要時間が長くなり,同時に選択アームの誤選択数や全選択数が増加する傾向が認められた.さらに,学習成立までの試行数がH系ラットより有意に多くなり,L系ラットの明瞭な空間学習障害の証拠が得られ,L系ラットの作業記憶や参照記憶を要する空間学習障害の動物モデルとしての可能性が示唆された.
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