組織的知識創造を支援する情報技術の現状と展望
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概要
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1990年代に入るとポスト資本主義社会として、「知識」の重要性に注目した知識社会の到来が主張され、知識資本主義の時代とも称されるようになった。このような時代的背景のなかで、企業は自らの持つ知識に注目し、これらを知財として管理し、経営の礎とするとともに、これらを戦略的に活用することによって、持続的・安定的成長を目指すようになった。また、この知識を管理するための経営手法-ナレッジ・マネジメント-が提唱され、様々な思想や手法が提示され、実践された。1995年には野中らが第二次世界大戦後奇跡的復興を成し遂げ、グローバルに活動している日本の優秀企業を研究し、その要因が企業における組織的知識創造行動にあるという理論を提起し、この動向に大きな影響を与えた。また、1998年にはダベンポート&プルサークが彼らの著作-Working knowledge-によってナレッジ・マネジメントに実践的指針を与えた。一方、この間に情報技術も急速に発展し、企業におけるナレッジ・マネジメント・システム構築に多大の貢献をはたしてきた。しかし、ナレッジ・マネジメントはいまだ発展途上であり、これを支援する情報技術も決して完成されているとは言えず、多くの課題がある。そこで本論文では、野中らの主張する理論に立脚した組織的知識創造行動を支援する情報技術に関する現状と課題について、全米科学財団の取り組み-CreativeIT-も含め論究する。
- 大阪成蹊大学の論文