腹膜中皮腫11例に対するPeritonectomyを用いた集学的治療成績

概要

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目的当科では腹膜中皮腫に対してPeritonectomyを用いた集学的治療(術中温熱化学療法(HIPEC),術後早期腹腔内化学療法(EPIC))を施行している.この治療結果を検討し,他施設と比較した.方法 1999年〜2006年にPeritonectomyを施行した腹膜中皮腫11症例を対象に検討を加えた. 11例中, 3例に2回, 1例に3回,計16回のペリトネクトミーを, 9例に11回のHIPECを, 4例に6回のEPICを施行した.結果男女比は7対4,平均年齢52.8±18.2,明らかなアスベスト暴露を4例で認めた. 11例中1例が周術期死亡, 3例が原病死, 7例が生存中である.統計学的検討では生存期間と2回目のPeritonectomy施行に10%の有意差を認めた(P=0.0734). Kaplan-Meier生存曲線からの1, 3, 5年生存率は72.7, 62.3, 62.3%であった.結論我々と他施設の生存率に文献的考察を加えると, Peritonectomy集学的治療は腹膜中皮腫患者の予後の向上に寄与すると考えられる.
獨協医科大学の論文