大腸癌術前診断におけるPET/CTの有用性の検討
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概要
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FDG-PET (positron emission tomography陽電子放出断層撮影)は腫瘍細胞が正常細胞と比較し糖代謝が活発である特性を利用した診断法である.大腸癌はFDG (F-18標識フルオロデオキシグルコース)が比較的良好に集積する腫瘍である.今回術前大腸癌症例に全身のFDG-PET/CTを施行し,原発巣の存在診断とリンパ節転移診断について検討した.対象は初発大腸癌84例. PET/CTによる原発巣の感度は94.0% (79/84),リンパ節転移診断においては特異度が88.9%と高値を示した.転移リンパ節において, FDGの集積の有無と最大割面に占める腫瘍の大きさ,リンパ節全体の大きさとの間で有意な相関を認めた.以上の結果から転移リンパ節の大きさにより限界があるものの,リンパ節転移診断においてPET/CT診断は,特異度が高い検査であり,最低限必要とされるリンパ節郭清範囲を示すことができる.しかしながら現時点では感度は低いものであり, FDGの集積がみられない場合においても,リンパ節郭清範囲縮小の根拠とはなり得ない.今後更なる研究の進展により,将来的にはリンパ節郭清範囲縮小への寄与が期待される.
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