エリスロマイシンおよびその新しい誘導体EM201のヒト皮膚真皮由来培養線維芽細胞のI型コラーゲン産生に及ぼす影響
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概要
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真皮の主成分であるI型コラーゲン発現の調節は,真皮膠原線維の増加する皮膚線維症と,逆に減少する皮膚萎縮症および皺のメカニズムや治療を考える上で極めて重要である.近年マクロライドの抗菌作用以外の薬理作用が注目され,線維芽細胞(FB)の増殖, I型コラーゲン発現の活性化,肺線維化を抑制する作用が報告されている.今回我々はエリスロマイシンA (EMA)および新しい誘導体EM201のFBのI型コラーゲン産生に対する影響を検討した.細胞増殖能は細胞数を計測し増殖曲線により,コラーゲン生合成はFBへの[2,3-^3H]プロリンの取り込みとフルオログラフイーにより, mRNA量はノーザンブロットで,遺伝子転写レベルはルシフェラーゼアッセイで測定した. EMAはα1 (I)鎖およびα2 (I)鎖コラーゲン生合成を最大で約1.7倍に増加, α1 (I)コラーゲンmRNA量を最大約1.5倍まで増加させ,同遺伝子の転写を約2.0倍に増加させた. EM201はα1 (I)鎖およびα2(I)鎖コラーゲン生合成を最大で約2.3倍に増加, α1 (I)コラーゲンmRNA量を最大約2.5倍まで増加させ,同遺伝子の転写を約3.0倍に増加させた. EMAおよびEM201はヒト皮膚FBのI型コラーゲン発現を活性化し,それは主に転写レベルでなされると考えられた.
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