胃・腸gastrointestinal stromal tumorの悪性度に関連する遺伝子の網羅的解析
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概要
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Gastrointestinal stromal tumor (GIST)は,消化管に発生する間葉系腫瘍である.その診断基準は確立されつつあるものの,悪性度評価や治療方針は確立されていない.このGISTに対し,高い抗腫瘍効果を示すメチル酸イマテニブの治療効果に大きく影響されるといわれているc-kit遺伝子変異の解析は,治療効果の指標となっても悪性度評価の指標とならない.悪性度評価として現在広く用いられているFletcher CDらが提唱したリスク分類があるが,これには遺伝子学的所見は反映されていない.今回我々はGIST悪性度に関連する遺伝子を網羅的に解析した.方法は, Ki-67免疫染色とマイクロアレイによる遺伝子解析を行った.腫瘍径, Fletcherのリスク分類,原発部位およびKi-67陽性率と遺伝子発現の関連を検討した.結果として,腫瘍径に比例して高発現する遺伝子を5つ, Fletcherのhigh risk群で高発現となり, low risk群で低発現となる遺伝子を1つ,胃で高発現となり,胃以外で低発現となる遺伝子を1つ, Ki-67高陽性率のもので高発現,低陽性率のもので低発現となる遺伝子を2つ検出した.これらの検出された遺伝子が,今後GISTの新しい悪性度評価の指標となることが期待された.
- 獨協医科大学の論文
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