Dアミノ酸酸化酵素欠損マウスでは海馬CA1領域におけるNMDA受容体活性は促進され,長期増強が増強される
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概要
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N-メチル-Dアスパラギン酸(NMDA)受容体の機能を調節するDアミノ酸はDアミノ酸酸化酵素(DAO)によって代謝される.本研究では,空間学習能力や海馬の長期増強(LTP)におけるDAOの役割について検討するために, DAO欠損マウスにおける空間認識能を評価できるMorris水迷路試験と海馬スライス標本における海馬CA1領域のLTPとNMDA受容体活性について調べ,正常なマウスと比較検討した. Morris水迷路試験を1週間続けた後に得られた学習能力は, DAO欠損マウスは正常マウスと比較して優れていた.正常マウスと比べてDAO欠損マウスでは海馬CA1領域のLTPが亢進していた.また, DAO欠損マウスは正常マウスと比較して,海馬CA1領域の錐体細胞で観察される興奮性シナプス後電流のNMDA成分の割合が大きかった.これらの結果から, DAO欠損マウスでは脳内のDアミノ酸が増加することにより,海馬CA1領域のNMDA受容体が活性化し, LTPが増強されることにより空間学習能が促進されていることが推測された.
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