三次元有限要素法による撓骨遠位端骨折発生メカニズムの解析
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概要
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橈骨遠位端骨折発生メカニズムの研究は,われわれの渉猟し得た範囲では過去にほとんど発表されていない.三次元有限要素法を用いて正常骨と骨粗鬆症骨による骨折を再現し,骨粗鬆症の有無による骨折発生様式の違い,また手関節背屈70°および掌屈70°にて発生した橈骨遠位端骨折を再現し,受傷時の肢位により骨折型に違いをきたすかどうかを解析した.健常成人および骨粗鬆症患者の手関節CT画像より橈尺骨遠位部,手根骨近位列のみの骨モデルを作製し,有限要素化.各モデルの橈尺骨近位部を全方向に拘束し,手根骨近位列を橈骨骨軸方向に沿って近位方向に移動させた.橈骨表面の各部位(要素)のミーゼス相当応力が皮質骨の降伏応力に達した場合を骨折とみなし,赤色で表現した.降伏応力に達した要素のつながりを骨折とみなした.健常人モデルと比較し,骨粗鬆症モデルでは骨折発生部位はより関節面に近い背側皮質であった.また手関節背屈70°モデルでは背側皮質に,手関節掌屈70°モデルでは掌側皮質に最初に骨折が発生した.
- 獨協医科大学の論文
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