ラット梗塞心におけるノルエピネフリンの左室血行動態に及ぼす影響
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概要
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梗塞心におけるノルエピネフリンの血行動態に及ぼす影響を明らかにするために, Wistar系成熟雄性ラット(n=18)を用い検討した.左冠状動脈前下行枝を結紮し, 10-13週間後に,梗塞群と非梗塞(sham-ope)群に,ノルエピネフリン40μg/kg/分を20分間投与した.梗塞群の梗塞サイズは29.8±13.4%であった.非梗塞群,梗塞群で,左室収縮期圧と最大陽性dP/dtがともに有意に増加した.しかし,梗塞群ではノルエピネフリン投与後,左室拡張期最小圧(p<0.005)および左室拡張末期圧(p<0.005)が有意に上昇し,最大陰性dP/dtが有意に低下した(p<0.05).非梗塞群ではこれらのパラメーターの有意な変化を認めなかった.梗塞サイズと左室拡張末期圧との関係は有意な正の相関関係を示した(R^2=0.764, p<0.005).イソプロテレノール0.1μg/kg/分を20分間投与した梗塞群(梗塞サイズ, 31.3±5.1%)では左室拡張末期圧および左室拡張期最小圧の上昇を認めなかった.これらの結果から,梗塞心においてノルエピネフリンは左室拡張障害を起こすこと,その作用機転として,βアドレナリン受容体刺激作用よりαアドレナリン受容体刺激作用が関与している可能性が示唆された.
- 獨協医科大学の論文
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