エリスロマイシン誘導体EM703の正常および強皮症線維芽細胞のI型コラーゲン転写に対する抑制効果
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概要
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強皮症の線維化は主に線維芽細胞(FB)のcollagen遺伝子転写の亢進によりおこる. macrolideには様々な薬理作用が知られるが最近,新しいerythromycin誘導体EM703のマウスbleomycin誘導肺線維化を抑制する作用が報告された.今回は正常および強皮症皮膚FBのcollagen遺伝子発現に対する影響を検討した.培養FBのcollagen産生を抗I型collagen抗体で, mRNA量をnorthern blotで,遺伝子の転写をluciferase assayで, collagen上流遺伝子への核蛋白結合をgel shift assayで解析した. EM703は正常FBに対してI型collagen産生, mRNA量を最大30%にまで温度依存性に抑制し, I型collagen遺伝子の転写を30%に抑制した.これは上流遺伝子を下流へ徐々にdeleteしても見られ,わずか-133baseにまでdeleteしても見られた.一方, -100のCCAAT-boxをGCAAGに置換変異すると約90%に抑制されたのみであった.しかしEM703添加で核のCCAAT-binding factor (CBF)の結合活性の低下はなかった.同剤は強皮症FBに対してもI型collagenの発現を抑制した. EM703は正常および強皮症FBのI型collagenの転写を抑制し,それは主にCBFの結合活性の低下なしにCCAAT-boxを介してなされると示唆される.
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