1950年代におけるフランスの対外経済関係の変化と外国貿易
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概要
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本稿は,1950年代におけるフランスの対外経済関係の変化がフランスの貿易構造にどのように現れ,それがフランスの近代化計画が課題とした産業の近代化と競争力の強化にどのような影響をもたらしたかを50年代の対ヨーロッパ貿易において最も重要な貿易相手国となった西ドイツとの貿易に焦点を当てて考察した。(1)では,フランスの工業製品貿易を中心にフランス産業の世界市場での地位の変化を検討し,近代化計画が進められる中で重工業の発展が見られ,それがフランスの世界市場でのシェアの回復,増大に結びついた点を指摘した。(2)ではフランスの外国貿易が,1950年から開始された欧州経済協力機構(0EEC)加盟国での貿易自由化率の上昇の影響を受けて1953年以後大きく変化したことを指摘した。具体的には,この時期以降,輸出に占める外国の比率の増大とフラン圏の輸出市場としての地位の低下が見られることになった。(3)では,西ドイツとの貿易の特徴を品目別構成の変化を中心に考察し,対西ドイツ貿易が自動車,航空機など「ダイナミック」な部門の輸出拡大をもたらしたものの,フランスの戦前からの貿易構造を変えるまでには至らなかったことを指摘した。
- 2008-12-11
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