半導体産業における垂直非統合のプロセスと要因分析
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概要
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トランジスタの発明以降, 半導体産業は急激な発展を遂げると共に, 生産拠点は様々な国へ拡がっていった。本稿は, こうした現象の要因の1 つとなった垂直非統合に焦点を当てる。まず, 半導体産業の発展と垂直非統合の現状について述べた上で, 半導体産業の垂直非統合のプロセスを検証し, 半導体産業における垂直非統合の要因を明らかにする。半導体産業の垂直非統合をもたらした要因を企業参入という視点からみると, 以下のようなものが挙げられる。第1 に, 急激な市場拡大と, 頻発する技術革新の下で, 激しい競争に生き残るためには, 他の産業の専門的な技術を利用せざるを得なかった。自社でそうした技術を育成することは, 時間的に不可能であった。第2 に, 特殊な技術を持ったままスピンオフする企業が続出した。そうした企業の誕生を促す環境が存在したことも垂直非統合を促す要因となった。また, 半導体工場の建設には莫大な費用が必要なため, 設計など特定の工程に特化せざるを得なかったという事情もある。第3 に, 工程によって労働集約度やエネルギー集約度が異なり, 垂直非統合型の産業組織の方が利点が大きかったという側面もある。
- 城西大学の論文
- 2007-03-30
著者
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