親鸞浄土教再解釈の一視座 : 宗教多元時代における浄土教の脱構築(<特集>宗教批判の諸相)
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概要
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諸宗教の多元的状況と宗教的真理証言の相対化という現代的状況のコンテキストのなかで、親鸞が開顕した「浄土真宗」を脱構築する。親鸞は激動の歴史的状況のなかで、鮮明にうちだされた、阿弥陀仏本願の絶対他力による一切衆生のさとりへの救済を根本目的とする浄土仏教思想を「浄土真宗」(宗派での意味ではない)として位置せしめた。現代、「浄土真宗」の真実性を論証する真仮偽判が根本的に問い直されなければならない。さらに、そのような状況に応答せんとするとき、みずからを如何に変革して行かなければならないか、深刻な問いにわれわれ親鸞浄土教者は直面している。本小論は、ヒックの宗教多元主義を吟味しつつ、親鸞浄土教が如何に応答することが可能か、ひとつの方向性を示唆しようとすることを目的とする。さらにカウフマンが提唱した多元主義的真理概念を参照しつつ、最後に一層ラディカルな多元主義的基準を私見として提示した。
- 2008-09-30