「あそびの学校」のプログラム参加(2) : 教師の力量形成としての場の検討
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概要
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あそびの学校とは、子どものあそびに関する研究・実践・提唱を行ない、その成果の普及を図るとともに、オープンスペースにおける子どもたちの生活学習の場を創造し、子どもたち自身の伸びる力を大切に、創意と感性の発揚を図り、住みよい社会環境の進歩向上に寄与することを目的に行われる、さまざまな芸術文化活動のことである。あそびの学校は、なかでも造形活動を中心に行っている。1) あそびの学校のカリキュラムは、子どもが生活で身につけるべき基礎・基本を考え、子どもたちの心身の発達段階に即した教材を厳選している。これまでの活動テーマは、遊び、音、構成、光などに分類され、年間を通して子どもたちがさまざまな分野のあそびに触れられるように構成されている。また、昔ながらのおもちゃや、科学を取り入れたおもちゃ、季節のものをつかったおもちゃなど幅広いおもちゃが取り上げられている。本研究では、9・10・11 月の提案カリキュラムについて検討する。9 月は「ビー玉おもちゃ『ころりんこ』どんなあそびができるかな?」、10 月は「ほら、虫の声が聞こえるよ!」、11 月は「みんなとコミュニケーションできる糸電話をつくろう」という活動をあそびの学校に提案し、実施した。 一方、教育を取り巻く社会状況の変化の中で、変化や諸課題に対応し得る高度の専門性と豊かな人間性・社会性を備えた力量ある教員が求められている。これまでの大学院では学問的知識・能力の育成が過度に重視される一方、学校現場での実践力・応用力などの教職としての高い専門性の育成がおろそかになっていたために、さまざまな問題を抱えている教育現場に応える機能を十分に果たしていなかった。そこで、理論だけではなく、理論と実践の融合を意識しつつ、コミュニケーション能力をはじめとする豊かな「人間性」の育成を基盤とした、力量ある教員を育成していくことが目指されているのである。本研究は、こうした背景を視野に入れつつ、あそびの学校のプログラムに参加することが教師の力量形成にどのように生かされていくかを検討するものである。
- 2008-09-30
著者
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