大学学外施設を利用した「子どもの居場所づくり」の意義
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
論説(Articles)筆者らは平成16年度から大学学外施設を利用した「子どもの居場所づくり」の実践に取り組んできた。それは、子どもたちをめぐる社会的課題に対応して文部科学省が3年間に渡って実施した「地域子ども教室推進事業」の一拠点としての開催をきっかけとするものであった。その事業が終了した現在(平成19年度)も、同志社大学大学院総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーション研究コースの学外社会実験施設を活用し、継続して実践を行っている。着目すべきは、地域からのニーズに応える形で、地域住民、学生、教員との協働プロジェクトとして持続可能な運営のスタイルを模索しながら行われている点である。本稿は、筆者らの行った「あそびの達人教室」の実践において、子どもの居場所が地域の中に認知され、信頼され、定着する過程に焦点を当て、大学学外施設を利用した「子どもの居場所づくり」の意義について明らかにしたものである。まず、子どもをめぐる社会状況を概観し、子どもの社会性の獲得や自立に必要な人間関係形成の場や機会、それらを生むつながりを再生していくことが求められていることを述べた。続いて、文部科学省が緊急3ヶ年計画として取り組んだ政策背景を整理し、子どもの居場所として展開してきた「あそびの達人教室」を総括した。そして、「学校外教育」、「場」の観点から実践に対する考察を加え、こうした居場所が子どもと大人との関係づくりに寄与し、さらには子どもを媒介として結びついた大人同士の関係の形成をも促進することを論じ、課題と展望を述べた。
- 同志社大学の論文
同志社大学 | 論文
- 東アジア地域用老親扶養意識測定尺度の開発
- 韓国高齢者の社会活動とQOLの関係
- 老親扶養意識と介護に関連するストレス評価の関係
- 聴覚性驚愕反射を指標としたラットの恐怖条件づけにおける扁桃体中心核損傷の効果
- キトサンを主成分とする非感染性の新規局所止血材料の開発