低ブームSSBJの概念設計について
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概要
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唯一の実用SST であったコンコルドが2003 年10 月に運航を停止し、本格的な次世代SST の開発にも目立った動きは無いが、代わって超音速ビジネス機(SSBJ:Super Sonic Business Jet)や小型SST の検討がNASA や米国の航空機メーカー等で実施されている。JAXA においては1997 年から次世代超音速機技術の研究として空力、材料・構造、推進等の分野での要素技術研究を進めてきた。本報告では、これらの要素技術の成果がどのように全体の機体性能に影響を及ぼすのかを見通すために、超音速ビジネスジェット機の機体概念を検討しその効果を評価することを試みた。現在までの結果として、現状の航空機技術の改良と低ブーム形態の実現、及び超音速巡航が可能でかつ低騒音のエンジンを開発できれば、実用的で環境適合性のあるSSBJ が実現可能であると考えられる。また要素技術の成果によっては、本格的次世代SST の開発に向けての雛型、あるいは新しい航空輸送分野を築く可能性のある小型SST としての実現も有り得ると考えられる。その機体形態の例として、通常形態、及び可変翼形態のSSBJ を検討した。