制限酵素断片長多型解析とマイクロチップ電気泳動法の抗生物質耐性菌群推定への適用
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概要
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マイクロチップ電気泳動法と制限酵素断片長多型解析とを組み合わせた効率的な遺伝子の類縁性解析法を組立て,土壌中の抗生物質耐性菌のモニタリング法として利用できるか検討した.液状家畜糞尿を投与した土壌(120t/ha年投入,600t/ha年投入区)等から分離した190株のポリミキシン耐性菌の中で,無投与区ではBacillus属細菌が大部分(80%)を占めていたが,分離割合は120t/ha区で21.7%に,600t区で15.6%にそれぞれ投入量に応じて減少した.グラム陰性細菌に属するプロテオバクテリアやサイトファーガ,スピロヘータの分離割合が120t区で10.0%に600t区で33.3%に増加した.600t区から分離された18株と120区から分離された7株は通常動物あるいは家畜糞に生息するバクテリアで,投入した液状家畜糞尿に由来することが判明した.ポリミキシンBはグラム陰性細菌に特異的な抗生物質であり,これらのグラム陰性細菌の内いつくかはポリミキシンB耐性菌であり,家畜に由来すると考えられた.
- 2008-08-20