6.核酸系化合物のうま味の発見とその後の展開(<特集>うま味発見100周年記念公開シンポジウム-6)
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概要
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核酸系化合物のうち5'-イノシン酸と5'-グアニル酸はうま味を呈し、L-グルタミン酸と共存するとうま味が相乗的に増強した。リボ核酸(RNA)をアオカビ酵素ヌクレアーゼP_1によって分解し、この鰹節のうま味5'-イノシン酸と椎茸のうま味5'-グアニル酸を同時に生産することが可能となり、これらを昆布のうま味L-グルタミン酸に配合して相乗作用を活かした複合うま味調味料が1961年に誕生した。ヌクレアーゼP_1は生化学基礎研究にも貢献し、また核酸分解物からはインターフェロン・インデューサー、抗腫瘍剤、抗ウイルス剤、血圧降下剤、準必須栄養素、各種診断薬、遺伝子治療素材などが生み出されている。