4.池田菊苗の想い(<特集>うま味発見100周年記念公開シンポジウム-4)
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概要
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本総説は2008年4月24日に東京大学安田講堂において開催されたうま味研究会主催、日本化学会、日本農芸化学会共催による「うま味発見100周年記念公開シンポジウム」の基調講演として筆者により発表された内容を基にまとめたものである。味の素の発見者池田菊苗の出自より、化学志向の動機、東京大学卒業後の業績について述べた後、明治32年(1899)にドイツライプチッヒのWi.オストワルド研究室に留学、同教授に私淑してそのエネルギー論、原子論に影響を受けた経緯、さらにロンドン滞在中に夏目漱石と交わした哲学論議について述べる。帰国後は東京大学教授としてわが国の物理化学研究の開拓的役目を果たし、明治41年(1908)にかねてからの思索に基づいて昆布の抽出液中にうま味の化学的本体を探り、グルタミン酸イオンであることを解明したことを述べ、池田の生涯を通じてうま味研究に至る動機と化学者としての想いを史料を基に考察する。
著者
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