統合学童保育の巡回相談に求められる支援ニーズ : 都内のある自治体における学童保育指導員への質問紙調査から
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概要
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本研究は統合学童保育における巡回相談の支援ニーズの把握を目的として,支援内容の整理およびその構造化を行った。ニーズ概念を理論的に再検討し, felt needsやnormative needsを反映させるための予備調査を行って,33項目からなる質問紙を作成した。102名の学童保育指導員による回答を分析した結果,「ニーズの切実さ」の観点から(1)基礎的ニーズ,(2)要配慮ニーズ,(3)要改善ニーズという3種類のニーズの存在が示された。また巡回相談の支援内容は(1)専門領域間での連携,(2)保育力量の形成,(3)保護者との協力連携,(4)障害児に対応した保育,(5)アセスメントと報告という5つの領域に整理された。さらに3種類のニーズと5つの支援領域を関連づけることで,各領域ごとの支援ニーズ特性が明らかとなった。 このようにニーズ概念を整理し,支援ニーズ特性を把握することで,保育現場の多様なニーズが整理され,巡回相談において迅速かつ有効な支援が可能になることが指摘された。
- 2008-08-10