インフォームド・コンセントと儒教倫理
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概要
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法的概念としてのインフォームド・コンセント(IC)に比べ、倫理的概念としてのICは、なお十分に吟味されていない。合理的ライフプランの設計者としてのリベラルな個という、架空の想定に立脚したIC概念は、共同体主義、ケア倫理など、様々な観点から批判されているのみならず、文化多元主義的な視点からも、その問題点を指摘することができる。文脈離在性や徳倫理の喪失などの問題点は東アジアの儒教的価値観からも同様に指摘しうるものであり、より普遍的なICモデルを模索するためには、Rights-basedな議論からVirtue-basedな議論への転換が必要であろうと考える。具体的には、医師-患者間の相互交渉を重視する、コミュニカティヴ・コンセントへの転換を提唱する。
- 2007-09-20
著者
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