誤嚥性肺炎に対するポータブル気管支鏡使用の有用性
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概要
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背景.今日,脳血管障害の後遺症や高齢化による身体機能障害を持つ人が増加している.特に嚥下障害による誤嚥性肺炎は高齢者にとって最も重要な病気の一つである.目的.ポータブル気管支鏡は様々な目的で使用されているが,治療評価などについての報告はあまりない.今回,我々は当院で誤嚥性肺炎と診断し,治療の目的でポータブル気管支鏡を使用した症例を対象に,有用性について検討した.対象.2001年3月から2007年3月までに当科で誤嚥性肺炎と診断し,ベッドサイドでポータブル気管支鏡を使用し検討可能であった44症例と,誤嚥性肺炎と診断され喀痰の自己喀出が可能であると考えポータブル気管支鏡を使用せず治療を行い検討可能であった9症例である.結果.ポータブル気管支鏡使用後86.4%に経皮的酸素飽和度(SpO_2)の改善を認めた.ポータブル気管支鏡使用前後のSpO_2は有意差を持って改善していた.治療中にポータブル気管支鏡を使用している症例の方が生存率は高かった.使用中に重篤な合併症は認めなかった.結語.ポータブル気管支鏡はベッドサイドで使用しやすく非常に有効である.しかし感染に対して注意が必要であり,視野が狭いため手技の習熟も必要である.
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 2008-07-25
著者
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山田 剛司
三原市医師会病院 内科
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奥崎 健
三原市医師会病院
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藤井 隆之
公立みつぎ総合病院 内科
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藤井 隆之
公立みつぎ総合病院内科
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奥崎 健
三原市医師会病院内科
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奥崎 健
三原市医師会病院 内科
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松本 香恵
三原市医師会病院内科
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久保田 益亘
三原市医師会病院内科
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大久保 博史
三原市医師会病院内科
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折村 多恵
因島医師会病院内科
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大久保 博史
三原市医師会病院 内科
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