中央民族学院の建校目的と謝冰心夫妻・費孝通の任務(上) : 文革直後に英文で出版された少数民族概説書
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概要
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本稿では,まず,中国が文革終結直後に英文で少数民族の概説書を出版しており,その著者が費孝通及び作家謝冰心等3人であったことを明らかにする。そして,中央民族学院建校の目的はチベット等における中国共産党による主権と領土の恒久的掌握にあったこと,文革後期の謝冰心も含め中央民族学院に所属する知識人は今日に至るまで民族及び領土問題関連の国策に関与してきたこと,謝冰心の夫呉文藻と費孝通が59年という早期に右派のレッテルを外されたのち専従させられた任務も国境談判のための資料と意見の提出であったこと,を明らかにすることを通して本書の出版目的について考察する。また,謝冰心夫妻や費孝通は愛国主義と漢族の視点から民族・領土関連任務に抵抗なく取り組んだことも明らかにする。
- 2008-07-25
著者
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- 謝冰心著/萩野脩二・牧野格子訳, 関西大学出版部, 『家族への手紙-謝冰心の文革-』, 2008年2月刊, 140ページ, 税込2,310円