難治性網膜剥離のフィブリン糊による治療法の研究(I) フィブリン糊がネコ及びイヌの網膜に及ぼす影響の検討
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概要
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1)フィブリン糊硝子体内注入眼のERG各波の正常僚眼に対する振幅比,頂点潜時比及び高浸透圧応答の正常僚眼に対する振幅比には注入前と注入9週後で差はなかった.注入後74日目の網脈絡膜組織像に異常はなかった. 2)後部硝子体剥離作成後にフィブリン糊を網膜上に滴下した眼ではa波頂点潜時が短縮した以外には有意な変化はなかった.フィブリン糊消失112日後には網脈絡膜に異常はみられなかった. 3)後部硝子体剥離及び網膜裂孔を作成し網膜を剥離させた後に3種の裂孔閉鎖術を行った.網膜光凝固のみ施行では手術操作の最後に眼内を灌流液に置き換えると同時に網膜は再剥離した.フィブリン糊滴下のみ施行では手術終了時には網膜は復位したが,1週間後に網膜は再剥離した.両者の施行では網膜復位が得られ少なくとも16週に至るまで網膜は再剥離しなかった.併用による裂孔閉鎖術では手術後112日で網脈絡膜に異常はなかった
- 金沢大学の論文
- 1996-12-01
著者
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