ステロイド投与家兎における静脈病変 ステロイド性大腿骨頭壊死症の病因病態に注目して
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概要
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ステロイド性大腿骨頭壊死症の病因病態を検索する目的で,ステロイド投与家兎における静脈の変化を病理組織学的および免疫組織学的に検討した. 1)ステロイドを8週間投与した家兎の静脈では,内膜における泡沫様細胞の増殖や中膜の空胞化が認められた.免疫組織染色により,この泡沫様細胞は主に平滑筋細胞由来であることが明らかになった. 2)ステロイド投与家兎の静脈では,内膜におけるV型コラーゲンの増加が認められた. 3)ステロイド投与家兎の静脈を電子顕微鏡により検討したところ,走査電顕では内皮細胞の表面不整が認められ,透過電顕では平滑筋細胞内の筋原線維の変性および内皮細胞内に空胞が認められた.以上の結果より,ステロイドは静脈にも障害をもたらし,これによる還流障害が血流のうっ滞,および骨頭内圧の上昇をまねいて大腿骨頭壊死発生の要因の一つになっている可能性が示唆された
- 金沢大学の論文
- 1995-02-01
著者
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