KAE公式の宇宙時代への展開 : 新しい行動科学からのアプローチ
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概要
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21世紀の人類世界を時間軸上に位置づけると、「宇宙時代」の始まりということになる。テーラーの「科学的管理法」を出発点にした「工業」社会の時代は成熟化の段階に達し、人類は進化の階段を一段昇った。「知識」社会の到来である。この歴史的大転換期において、世界の国々至る所で、経済的、社会的、政治的、文化的混乱を引き起こし、制度や慣習の抜本的な改質が迫られている。企業活動は、これら4つのコードが重ね合わされて働く交差領域の中で営まれる。テーラーは、2つの命題の統合を目指して、「科学的管理法」を発明した。(1)「対立のハーモニー」と(2)「経験の科学化」である。その後、(2)は順調に発展したが、(1)への試みは成功しないまま、今日に至っている。産業社会の発展に貢献したはずのドラッカーの「目標管理」や「知識労働者」のコンセプトも、国家間や地域間や個人間にますます広がる「格差」問題をもたらしたという結果に帰結した。この2つはカテゴリーが異なる。(1)の人間の"心"にかんする「価値」と、(2)の"物"に関する「事実」はカテゴリーが異なる。異なるカテゴリーを統合するには、両者を媒介するインターフェースが必要である。人間社会でその役割を果たすのが、「言語」、「法」、「貨幣」である。幸い、近年(2)の自然、人文、社会科学諸分野における「知識」の集積は目覚しく、(1)の命題の追求におおいに貢献している。科学単独ではなく、哲学、実践学、美学の4つのオープン知識ベースをネットワークした総合的学問の姿が現れつつある。
- 2008-06-27