言語発達遅滞を伴った場面緘黙の改善過程について
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概要
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言語発達遅滞を伴った場面緘黙症の1症例(初診時8歳4ヵ月、女児)をとりあげ、その改善過程において母親ならびに治療者との対人関係にどのような変化がみられるかを明らかにし、治療上の示唆を得ようとした。再育児心理療法を実施し、改善過程から次の知見を得た。(1)滅黙症状の消失と治療的退行とは深い関連があるのではないかと考えられ、特に、治療者ならびに母親に対してambivalentな感情表出ができるような対人関係をとれることが重要な役割を果しているものと推測された。(2)緘黙症状の改善には、治療者との関係のみでなく家庭における母親との関係が変化することが重要であると考えられた。(3)治療場面は、心理的葛藤を克服するためのリハーサルの場になっていたと考えられた。(4)治療場面以外での緘黙状態は、限定された友人、学級担任、学級集団の順に消失した。(5)言語発達遅滞の改善が、緘黙症状の改善に先行してみられた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1980-03-31
著者
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