19世紀のアメリカろう教育における手話の位置づけ : 1853年の第3回アメリカろう教育者会議より
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概要
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ろう教育方法史上、ろう教育における手話の位置づけについて、筆者は、「手話は、単に、口話法が開発される以前に用いられていたにすぎない」とは考えない。そこには、より積極的な意図があったであろうと考えた。そうならば、手話は、教育方法の中で何らかの重要な位置づけをもっていたにちがいないと推測した。本稿では、1853年の時点で、手話の位置づけをめぐって、いくつかの立場による相違を明らかにした。それらは、大きく分けて、3つに分れることが示唆された。(1)教育の初期段階において手話を用いるが、できるだけなくしていく。方法的手話に対しては反対である。(2)教育の初期段階のみでなく、手話は、ろう唖者にとって必要であり、文指導は、文法的、方法的手話を用いる。(3)自然的手話は、望ましいものではなく、もし使うなら、英語の語順に沿った手話を用いる。但し細かい点については、この中にちがいがみられる。
- 1980-03-31
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