森林のレクリエーション利用とその管理の現状 : 能代市「風の松原」の事例
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概要
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1998年7月13日,林野庁は現行の229営林署を平成11年1月から98の「森林管理署」に再編することを明らかにした。これを受け,すでに全国の営林署で統廃合が進められつつあるが,こうした最近の動向は,放棄された国有林野の管理主体をどこに求めるかという新たな問題を作り出している。本論文は,これら営林署の統廃合をめぐる管理の問題を考慮しつつ,秋田県能代市の海岸砂防林(通称「風の松原」)を事例にレクリエーション利用にかかわる管理の在り方について考察した。能代市の海岸砂防林は飛砂に悩む地域住民によって造成されたが,秋田大林区署は1921年から砂防工事を開始し,そのため地域住民の利用も規制されてきた。こうした中,1983年,後谷地国有林が保健保安林に指定されたのをきっかけに能代市はその一部を無償で借り受け,レクリエーション利用が出来るように整備を進めてきた。そして以後,自治体主導による管理が行われ,一応の成果をおさめている。こういったことは,自治体の主体性がレクリエーション利用に関わる管理に不可欠であることを物語っている。
- 1999-10-01