農山村地域と労働者協同組合の研究 : 企業組合高知県農林事業団の事例(1996年秋季大会自由論題論文)
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概要
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1980年代以降,地域の農村労組により振動病患者の社会復帰として在村労働者自らで仕事づくりを行う農林事業団が,振動病認定の行政的打ち切りに対する労働運動上の歴史的転換として,農山村地域における労働者協同組合化を目指す運動として全国8府県(岩手県・秋田県・岐阜県・三重県・京都府・奈良県・愛媛県・高知県)で展開された。本研究ではその一事例として高知県農村労組が母体となり,設立された農林事業団の現状を報告する。農村労連の全日自労建設一般への合併後,大半の農林事業団が停滞する中,同事業団は協同組合として労組から自立し,現在事業内容は農林事業中心から土木建設事業中心に移行した。96年現在で事業団出資者368名を擁し,年間総事業額2,400万円を行う事業団として事業展開がなされている。本報告では事業団資料・団員への聞き取り調査等から母体労組の全日自労との組織統合以降,同農林事業団の組織改編及び展開を中心にその現状を分析する。
- 1997-03-01