特殊採草地に対する赤クローバーの導入方法に関する試験(予報)
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概要
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(1)赤クローバーは導入方法の相違によつてその収量変遷に3型が認められた。2ケ年間の合計収量は牛糞団子・移植・種子団子区が点播・撒播区より多収を示したが、導入方法間の収量差は比較的少いもののようである。(2)野草の植生は赤クローバーの導入によつてチガヤ型からメヒシハ〜チガヤ型に移行した。野草の収量に於ては赤クローバーによつて抑圧及び増進の両面が認められ、点播・種子団子・牛糞団子の各区は対照区より増収し、移植・撒播区はこれより少かつた。(3)以上の結果から綜合して赤クローバーの導入方法としては点播・種子団子・牛糞団子・移植は撒播よりも優れているようであるが、撒播によつても導入の効果は充分に挙げ得る。(4)赤クローバーの株は刈取第1年目の8月から10月の間及び刈取第2年目の6月から10月の間に著しく減少し刈取第3年目に移行する株は極めて少い。故に暖地に於ける赤クローバー導入の直接効果は2ケ年間持続するに止る。
- 日本草地学会の論文