高度集約牧野造成に関する試験
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概要
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高度集約牧野造成の可能性を知るためこの試験を展示的に行つた。結果の要約は次のとおりである。(1)牧野の土壌改良を実施すれば最初からラジノクロバーの導入が可能であることがわかつた。(2)オーチャードグラス,ケンタッキー31フエスクとラジノクロバーの交互条播はよい収量をあげた。クリムソンクロバー,タンジャピーよりもイタリアンライグラス,レッドクロバーと混播すると増収するではないかと考えられた。(3)チモシーは当地では稍夏枯に弱く,トールオートグラスも収量が少いようであつた。(4)シバ,チガヤ,ヒメザサ,ワラビ,イバラ等の雑草根の再生はラジノクロバーと禾本科牧草との交互条播で完全に防止できることが明らかとなつた。(5)牧草の収量は10a当り3ヶ年で11〜19ton,平均14tonで,施肥を増せば増収は可能であろう(10a当り年7〜10ton迄)。(6)2〜3年牧草収穫跡の土壌調査で,酸度の低下,全塩基の増加等の土壌改良効果は認められたが,燐酸吸収係数その他では牧草栽培前と殆んど変つていなかつた。(7)高度集約牧野の造成に要する10a当りの経費は開墾及び整地作業の経費及び資材費として6,742円,初年度の播種から収穫までの管理作業費2,495円,合計9,237円程度であることがわかつた。
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