混播牧草の集団構成に関する研究 : II チモシー・アカクロバー混播における草収量の推移と混播効果について
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概要
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チモシー・アカクロバー混播において,草収量と草種構成に対する播種割合と施肥処理との影響に関する試験を行ったが,3年間の成績から得られた知見はつぎのごとくである。1. 3年間の合計草収量は2NPK>NPK>NP,NK,PK>none処理の順に大であり,いずれの施肥処理においても混播が単播より多収で,5:5の播種割合の場合は最大であった(PK処理では3:7)。2.チモシーは年次をおって次第に草収量を増し,アカクロバーの草収量は2年次に最高となるが,その程度はいずれも施肥処理や播種割合によって異なった。3.草種間の競合は2年次から顕著になり,PK処理を除きチモシーはアカクロバーを抑制するが,アカクロバーは優勢および弱勢にかかわらず,いずれの施肥処理においてもチモシーに利益的効果を与えた。4.アカクロバーの播種割合が大であるほど,チモシーの受ける利益的効果は大であった。かつ草勢の増大したチモシーによって抑制される程度も大であったが,PK処理ではこの事実が見られなかった。5.各時期の刈取りを通じて草種構成は7:3の場合に変動の程度が比較的小さかった。6.草地造成にあたって,アカクロバーに対するチモシーの慣行播種量は多過ぎると思われる。
- 日本草地学会の論文
- 1964-09-30