知的障害児の記憶における方略利用の促進について : 方略訓練と成功および失敗事態における帰属訓練との加算的効果
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概要
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本研究は、知的障害児の記憶における方略利用を促進させるために、方略訓練(累積的リハーサル方略の訓練)に帰属訓練(努力帰属を促す訓練)を併せる訓練が有効か否かについて確かめるとともに、訓練を行う際に、容易に成功する課題 (記憶範囲課題)を用いた場合と成功・失敗事態が混在して発生する課題(近接領域課題)を用いた場合の訓練効果の差について検証した。なお、訓練およびプリ・ポストテストのための課題として、再生レディネス課題を用いた。さらに、より難易度の高い課題である標準的な系列再生課題を用いて、困難場面に直面した際の訓練効果を確かめた。結果、ポストテストにおいては群間に差はみられなかったが、系列再生課題では、近接領域課題を用いて方略+帰属訓練を行った群において最も方略利用が促進されたことが確認された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2004-09-30