CO中毒後の中枢性視覚障害児一事例における座標構成活動の再形成過程
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概要
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CO中毒症慢性期では再学習の重要性が指摘されているが、これまで小児の書字の再学習に関する報告は見あたらない。本対象児とは、CO中毒の事故後10か月時に出会い約4年間かかわった。この間、右眼の視力低下に対する眼科治療と並び、主訴であり特に困難を示した座標構成活動の再形成を援助した。この再形成過程について、筆記録および資料を整理して報告した。「枠の基準化」と「線分の始点と終点の抽出・構成」および「線分の各方向成分の抽出・構成」の各段階を、丁寧に進めることの重要性が示唆された。また、学習状況全般にわたり注意障害が広く認められ、学習継続時間を短くして約10分ごとに休憩を設定する配慮が不可欠であった。および、回復過程で一過性に色概念の抽象的水準での範疇的態度喪失が認められ、やがて回復に至った。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2003-01-30
著者
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唐木 剛
からき眼科クリニック
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今野 正良
愛知県心身障害者コロニー中央病院視覚部門
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渡邊 文章
愛知県心身障害者コロニー中央病院視覚部門
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今野 正良
愛知県心身障害者コロニー中央病院:東北大学大学院教育学研究科
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