台湾の母親のダウン症児に対するコミュニケーション・スタイル : 自由遊び場面と食事場面の比較を通して
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概要
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本研究では、表出言語水準(ELA)と平均発話長(MLU)で一致させたダウン症児(ELA: 月齢21.0か月、MLU: 1.9)と健常児(ELA: 月齢20.4か月、MLU: 2.2)およびその母親を20組対象とし、各対象者の家庭における自由遊び場面と食事場面について、場面ごとに母子会話のやりとりと母親の発話の機能について検討していくことを目的とする。その結果、自由遊び場面におけるダウン症児の母親は健常児の母親より発話数やターン数が多く、食事場面では差がなかった。母親の発話の機能は場面別にみると、指示は、自由遊び場面で差があり、食事場面では差がなかった。一方、情報、評価では、食事場面で差があり、自由遊び場面で差がなかった。このことは、場面によって、母親の話し方が異なっていることを示しており、1つの場面で集められたデータだけから母親のコミュニケーションスタイルを特定するのは問題であるということが明らかとなった。
- 2002-09-30
著者
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黄 〓芬
Department Of Early Childhood Education And Master Program National Taitung University
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黄 〓芬
台湾国立台東師範学院幼児教育学系
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