病弱児の病気体験のとらえ方の発達的変化と心理的援助(実践研究特集号)
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概要
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病弱児の病気体験を理解するために、作文分析によって、各発達段階で子どもが病気体験をいかに受けとめているか、どのような心理的援助が必要と考えられるかを考察した。また、子どもの病気の語りを研究する意義を検討した。小学部低学年は治療等の苦痛や家庭から離れることへの不安を大きな脅威として受けとめる傾向にあった。小学部高学年および中学部では、病気の受けとめ方や病気に対する態度は多様化する。高等部では病気とともにあった今までの生活や自分自身を振り返った作品や、病気体験を肯定的に意味づけた作品が多くなる。このように病気体験のとらえ方は発達段階によって質的差があり、それぞれに応じた心理的援助が必要であると思われた。病気の語りは子どもの病気体験を理解するのに有効な方法であると考えられる。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2001-03-31