イギリスにおける慈善組織協会の障害児教育への貢献に関する研究 : 肢体不自由教育への意義を中心に
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概要
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19世紀後半にイギリスの都市部の貧困問題の解決を意図して設立された慈善組織協会(C.O.S.)が障害児教育の領域に対しても重要な提言を行い影響を与えていたことが知られている。本研究では特に肢体不自由児(者)への慈善的対応の限界と彼らへの教育の必要性が主張されるにいたる過程を検討した。その結果、1)C.O.S.は肢体不自由児(者)も貧困の防止に最大限の自助努力を払うべき対象として認識し、基本的に例外的な取り扱いはしなかった、2)教育、特に実業教育は慈善的救済での対応の限界に直面した問題の解決に有効な一つの手段として認識された、3)肢体不自由児(者)に対する実業教育施設で一定の成果が上げられていた一方で、4)教育も含めて何の対応もなされないままにされている多くの者の存在を社会に公にしたことの意義が認められた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1996-09-30
著者
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