筋ジストロフィー入院患児の病気に対する自覚の過程と心理的援助(実践研究特集号)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
入院生活を送る筋ジストロフィー患者の病気に対する自覚の過程と、それに伴う心理を患児自身が著した文集に基づいて分析した。その結果、以下のような自覚の過程がみられた。小学部の児童は、自己の病気を足の病気として捉え、手術や訓練によって治るものと期待している。そして、入院生活を治療のための一時的な生活として捉えている。そのため退院できなかった時に、失望や怒りを示す時期がみられた。中学部の生徒では、病気を進行するものと気づくようになっており、入院生活を長期の生活の場として捉えるようになっている。そして、高等部の生徒は、病気の進行を実感するようになっている。そこで、病気の自覚に伴う心理的変化に対する援助の視点を、早期治癒、退院を期待する時期、失望や怒りを示す時期、進行に気づく時期、進行を実感する時期とに分け考察した。
- 1996-03-30