ストーリーゲーム型共同行為ルーティンを用いた言語指導の試み : ことばの教室での小集団によるコミュニケーション・構文の指導(実践研究特集号)
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概要
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言語発達遅滞を主訴にことばの教室に来室した8歳のダウン症児に小集団指導(3人)を通して言語指導を行った。ロシア民話「おおきなかぶ」の物語を題材にしてスクリプトを作成し共同行為ルーティンを用いて16セッションの指導を行い、その経過を追いながら指導法と般化の様子を検討した。本事例は限定された場面を設定し、その文脈に対応した言語を継続して使用することで言語理解や言語表出の高次化をめざしてきた。指導を重ねるに従って共同行為ルーティンの流れが理解されてき、他児との交渉による役割の選択、目標とした語いや理由を表す構文での表現が可能になった。また、指導後6ヵ月を経過してから同様の場面を設定して般化の様子をみたが、目標にしていた語いや構文が自発的に表現されていた。また、指導場面以外の場面状況でも同様のことがみられた。このことから、スクリプトを作成し、共同行為ルーティンを用いた言語指導は言語獲得をよりスムースにし、般化の可能性を示唆しているといえ学校場面での指導法としても有効であると考えた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1995-03-31
著者
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