スウェーデンにおける障害者の権利保障規定に関する研究 : 精神遅滞者「援護法」改正史を手がかりに
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概要
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特定の障害者を対象とする法や制度の存在は差別をもたらすのか、権利保障につながるのかという問題を検討するために、この問題が一つの争点となった1980年代におけるスウェーデンの精神遅滞者「援護法」改正を戦後「援護法」改正史の全体像の中に位置づけて分析した。その結果、同改正までの3法(44年教育・保護法、54年教育・保護法、67年援護法)は一般法制から独立した「特別法」として立法化され、内容的には歴史的な漸進や飛躍の契機を含むものであったものの、保護施設への(強制)入所規定と相まってノーマライゼーションの実現を制約するものと批判された。そして1985年に制定された新「援護法」は、一般法制を土台とする「補足法」として立法化することによって、権利保障規定の明文化が差別につながらないように志向した国民的選択であり、その方向性は1993年の最新改正でも基本的に維持されていることが明らかになった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1994-11-30
著者
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