子どもが外界との係わりを拡げるための係わり手の状況設定
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概要
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ここに報告する事例は、精神発達遅滞と低緊張を伴う脳性まひの子ども(2歳)である。行動観察では受け身的な行動が目立つ子どもであったが、周囲の状況や係わり方によっては能動的な行動を示した。そこで、選択的な状況、動きのある物に手を伸ばし操作する状況など、係わり手が子どもの現す行動に応じて状況設定を随時工夫していくことによって、より活動的で調整された外界とのやりとりを引き出そうと試みた。そして、係わり合いの経過から、学校教育現場で係わり手が教材などを用いて状況を設定する際に留意すべき点をまとめてみた。子どもが理解できる状況であること、行動の発現・展開・終止が明確になる状況であること、行動体制を強化・分化・高次化できる状況であること、子どもと係わり手が交信関係によって支え合うことのできる状況であること、子どもが自ら選択できる状況であることについて整理した。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1992-11-30