一重度・重複障害幼児の意思の表出を促す取り組み
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概要
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本研究は、重症心身障害児施設に入所している一人の重度・重複障害幼児との具体的な取り組みを通して、子どもの意思の表出を促す際に、関わり手側に求められる視点を明らかにすることを目的とした。子どもに対して一方的な関わりにならないようにあらゆる場面で子どもの意向を問いかける工夫を続けていくと、指導開始当初は一人遊びをしていることが多かった対象児が、ものに働きかける動きがより明確になり、さらに人に近付いて要求を伝えようとするなどの動きがみられるようになった。重度・重複障害児の意思の表出を促すためには、あらゆる場面でコミュニケーションを図っていくことが大切であり、その際子どもにみられた何らかの動きをある意思の現れと"仮に"受け止めていくことや子どもが意思を発現しやすくするために活動の開始や終了を明確にすることなどが大切であるといえる。
- 1992-03-30