年長自閉症児の社会的自立スキルに関する研究 : WISC-Rによる知能構造の分析
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概要
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筆者らはWISC-R知能検査について、「社会的自立に必要な能力」の評価システムにおけるスクリーニングニテストと意義づけた。そして、59名の年長自閉症児にWISC-Rの全下位検査を実施し、彼らの知能構造の分析を試みた。第一に、因子分析(Varimax法)によってKaufman(1975^<5)>)と同様の三因子を抽出した。とりわけ、I.言語理解の因子、III.転導性からの解放の因子に年長自閉症児の特異性がみとめられた。第二に、因子得点を用いたクラスター分析(Qモード)の結果、9つのクラスターが形成された。全クラスター中FIQ35以下のものが6つ、動作性優位なものが5つと多く出現した。それぞれ、a)言語能力、b)動作性能力、c)課題への適応性という三つの側面から各クラスターの反応特性を記述した。一般的に自閉症児の知能で比較的良好とされる機械的操作(「11.数唱」、「6.積木模様」、「8.組合せ」)と他の諸機能(下位検査)との関連性を検討した。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1988-08-27
著者
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