聴覚障害児による疑似楽器音のピッチ弁別 : 周波数帯域の影響について
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概要
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本研究は、楽器音の音響的特徴と聴覚障害児のピッチ弁別との関連に関する基礎研究として、複合音の周波数帯域がピッチ弁別に及ぼす影響について検討することを目的とした。実際の楽器音のシミュレーションとして、音響フィルタでろ波した鋸歯状波を用い、各フィルタ条件における弁別域を測定した。その結果、以下のことがわかった。(1)複合音の周波数帯域によって、弁別成績に差が生じる。(2)ピッチ弁別には、高音域に比べ低音域成分が重要である。(3)周波数帯域幅(高調波数)の影響は、低音域に限定される。(4)弁別成績と聴力との間には、明確な関連が認められない。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1987-12-10